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インハウスwebデザイナーのアウトプットブログ

実践編【弁護士が教える】著作権の正しい知識を得て仕事に役立てよう!に参加してきました

更新日:2019年7月17日



先月の【弁護士が教える 著作権の正しい知識を得て仕事に役立てよう!知識編】セミナーに引き続き、実務編に参加してきました!

※知識編の内容はこちらの記事にまとめております!


主催は先月と同様、クリエイティブ業界を対象としてリーガルサポートを行われている


今回は実務編ということで、具体的な事例をもとに、問題を未然に防ぐ際の注意点や対策などを学ぶことができました。よくある事例パータンごとに、依頼者側と制作者側の視点でまとめてみました。



01:指定された素材を使ってor参考にしての制作

「この素材使ってor参考にして制作してほしい」というよくある依頼パターン。

この場合まずは、素材が著作物かどうか確認することが必須です。


著作物である場合

もちろん、そのままの使用はNG。使用する際には著作者の許可が必要です。

著作権違反は制作した側だけでなく、依頼者も同じく責任を負うことがあります。


著作物だけど使える場合

例えば、江戸時代の鳥獣戯画などの著作権の保護期間がきれているものや、

フリー素材など著作者が著作権を放棄しているものなどは制作に使用できます。

(※フリー素材でも条件付きで使用を許可している場合もあるので、使用規約は要確認です)


そもそも著作物ではない場合

著作物ではないものとして、「ありふれた、よくある表現、デザイン」「事実、データ」

「アイディア、着想」「<ごく>短いフレーズ、<ごく>シンプルなデザイン」などはそのまま使用できます。

(※著作物でないものの参考例は、知識編記事で補足していますw)


<依頼者として気をつけるポイント>

・ 著作権のある素材を制作者側に提供しない

・ 素材を提供する場合は著作権有無や使用条件など確認しておく

・ 素材参考にしてほしい場合は、 ありふれた要素だけにとどめるなど配慮が必要


<制作者として気をつけるポイント>

・使用可能な素材であるか確認(上記の著作権ありなし、フリー使用の条件など)

※ 依頼者側と著作権の理解を共有できれば、あとあと問題がないかなと感じました。




02:酷似したイラストやデザイン等の納品

制作者が納品したAと酷似したBを別会社に対して納品した事例です。

制作者側にとっては「自分の描いたイラストのテイストまで制限されてしまうのは困る」や、依頼者にとっては「同じようなイラストを他社で使われるのは困る」など、どちらの立場に立っても痛い問題です。


この場合、どちらが著作権を持っているかが重要です。


依頼者が著作権をもっている場合

制作者も納品した先の別会社も侵害対象となります。

「使わないで!」と差し止めされ、罰金も発生する場合もあります><。

特に納品された先の別会社がまったく酷似していることを知らない場合は

制作者側が全罰金を払うことが多いようです。(怖い〜〜)


制作者が著作権をもっている場合

使用ライセンス契約のみなどの場合は、著作権は制作者側にあります。

「使わないで!」と言われても、法的な縛りは受けないですが、もしその納品物(例えばロゴなど)が商標などに登録されていれば、別の違反になる場合も。。。


<依頼者として気をつけるポイント>

・著作権譲渡を受けておく

・酷似したデザインやイラストを以後制作しないように契約や覚書を取り交わす

(独占的利用許諾というものらしいです。ロゴなどブランドと関係性の高いものなど、酷似されると不利益が多い場合などは取り決めていたほうがいいのかなという印象でした。)

※文化庁のこちらの記事を貼っておきます。著作権に関する契約について - 文化庁


<制作者として気をつけるポイント>

・安易に著作権譲渡をしない

譲渡したからといって、イラストのテイストまで、縛りを受けることはないようですが、

使用範囲や用途などの説明を受け、納得した上での譲渡でないとあとあと問題になりやすいようです。

・安易に独占的利用許諾など契約をしない

「よくわからない」「不安だな」がある場合は、安易に契約するのは危険です。

依頼者とコミュニケーションをとり、共通認識を持ってから契約しましょう。


その他にも

・期間限定の使用などの一時使用権のみにする

・別の権利の一部だけを譲渡

など場合によって、対応もできるようなので、デザイナー法務小僧さんのようなクリエイティブの法律に詳しい弁護士さんに相談してみることで、不安も解消できるのかなと。。。w




事例03:デザインの生データのやりとり

「生データ」とはpsdやaiなど業種によってデータの形式はさまざまですが、編集ができる状態のデータことです。あとで編集が必要だからという理由でよくデータのやりとりはされることが多いです。


そんな場合は、

・依頼したからといって生データがもらえる&渡さないといけないとは限らない

・生データ=著作権ではない

という認識が重要です。


<依頼者として気をつけるポイント>

・データをもらう合意をとっておく

L その際に、データを編集する合意ももらう(編集がある場合)

・著作権譲渡を受けたい場合は別途契約する


<制作者として気をつけるポイント>

・基本的にデータは渡さなくてよい

・渡す場合は、利用目的を聞いた上で、使用NGシーンや他への譲渡や開示禁止などの利用条件契約を作っておく

・データの作り方を工夫する

L 技術的に流用されると困るもの:画像であれば加工したものは統合しておくなどで、レタッチ技術はわからないw

Lフォント系:アウトライン化

そもそも先方の環境にフォントデータがない場合はデザインも崩れてしまうので、アウトライン化は鉄則。

Lイラストデータをpdf化、大幅な編集はできないようにする

などなど。この話題だけで1時間以上話せそうでしたw


「生データください。」の裏には、ちょっと修正があるや、アイコンなどパーツを使い回したい、Webデザインを紙デザインに使いたいなど制作工程でさまざまパターンがありますが、悪質な場合は別会社へ渡され、展開されるなどの事例もあるようなので、対応は慎重にいきたいものです。


まとめ

私自身、依頼者側にも制作者側にもなるので、両視点で問題を未然に防ぐ方法を学べたことが一番よかったです。

知らないことでついやってしまうこと、知らないままで依頼者も制作者もお互いに気まずくなってしまうこともあります。お互いwinwinで気持ちよく制作ができる関係でいられるように、やはり著作権についての知識は持っておいて損はないな〜とあらためて思いました。


セミナーでは、現場あるある以外にも「ミッフィー vs キャッシー事件」「ちいたん vs しんじょうくん事件」「廃墟写真事件」など名前を聞くだけでも興味がそそられる事例の紹介ありつつでしたが、ブログでは「制作現場よくあるあるパターン」をまとめてみました。

ぜひ、上記の事例も知りたい!聞いてみたい!という方はデザイナー法務小僧さんの次回セミナーを乞うご期待ですw

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